友達の支えがあるからこそ・・・・
昨日、大きくなったねの会のリハーサルの様子を掲載しました。
その中で、こどもたちの成長を垣間見た出来事がありました。
ぞうぐみ(5歳児)の出番がもうすぐというとき、急にTちゃんが私に「唇が痛いの・・・・」と訴えかけてくるのです。前々からTちゃんは唇がよく乾燥して薬を持ってきていることを知っていたので、「保育園に帰ってから薬を塗ろうね」と答えたのですが、Tちゃんは「今すぐ塗りたいの!」「今すぐ保育園に帰りたいの!」と言うのです。私は、その様子から、Tちゃんは自分の出番がもう間もなくなので、ドキドキしておちつかなくなってきたのだということに気付きました。すると、他のぞうぐみのこどもたちが「どうしたの?」とTちゃんの様子に気づき始め、「保育園に帰ってから薬をぬったらいいで」とか「僕も唇が痛かった時にはリップクリームを塗ったで」などと声をかけはじめました。
しかし、ぞうぐみの出番はもうすぐです。Tちゃんはしくしく泣きつづけています。
担任がタオルを濡らしてTちゃんに渡すと、Tちゃんは口にタオルを当てて少し落ち着きました。
私が、「Tちゃん、ドキドキして唇が痛くなってきたん?」と聞くと「うん・・・・」とうなずきました。
その時の表情はまだ不安そうでしたが、、私が、「みんなのところにいけるかな?」と聞くと、私の手をTちゃんから握ってきました。「行ってみようかな・・・」という気持ちが伝わってきました。
その手を引いて、みんなのところへ連れていくと、Tちゃんはタオルを口に当てながら、不安な気持ちを担任に話していました。すると、その話を聞いていたRちゃんが「一緒にらいおんやるよ」と自らTちゃんに声をかけてくれたのです。まわりのこどもたちも、「そうや、Rちゃんと一緒やから大丈夫やで」とTちゃんを励ます姿がありました。
いよいよTちゃんの出番がきました。
TちゃんとRちゃん、二頭のらいおんがいさましく舞台に登場したのでした。
ぞうぐみのこどもたちは、「保育園に帰りたい」というTちゃんの気持ちをいったん受け止め、どうしたらTちゃんといっしょに舞台にでることができるかを考え、寄り添いながら行動をしました。みんなで集まって相談したわけでもなく、一人一人が自然にとった行動です。
Tちゃんもまた、その友達の気持ちを感じたからこそ、友達が支えとなり舞台に出ることができたのだと思います。
こどもたちのやさしさを感じ、いやだけれど踏ん張ってみようと自分を奮い立たせたTちゃんの成長を感じました。