動物の不思議な力

保育園の事務所の前のホールに「コザクラインコ」の「たまっぴ」がいます。
以前にも書いたのですが、さくら公園まで逃げてきたところを保護し、飼い主が見つからなかったので園で飼うことになったのです。
この「たまっぴ」のお世話は、昨年から現ぞうぐみがしており、お当番活動として、たまっぴの餌や水、新聞紙の交換をしています。
事務所にいると、子どもたちは、散歩に行くときには「たまっぴ、行ってきます!」帰ってくると、「たまっぴ、ただいま!」、昼寝から起きて下に降りてきたら、「たまっぴ、おはよう!」と常にたまっぴに声をかけています。
その様子をみていると、すっかりたまっぴは保育園の仲間なのだなぁと思います。
 動物には不思議な力があります。児童心理学者の研究によると、動物を育てることは、子どもの感性、自尊心、自制心、自立心を養うことがわかっています。
幼いころから動物の世話や育成を大人と一緒に行い、年齢相応の作業を大人に任され、それを成し遂げほめてもらうことによって、子どもは自分にも能力があるという自信を持つことができるそうです。
また、動物による情緒的な支えは、子どもの精神的発達にとって重要であるという研究報告もあります。
子どもたちは、自分よりも小さな存在の動物の温かみを感じ、飼い主に全面的に依存し、物を言わない動物の気持ち欲求をくみ取ろうとします。
愛護される側の子どもたちが、弱いものに対して思いやりを持つようになり、子どもたちの成長がみられます。
動物を飼うだけで、他者に対する共感力が育つのではなく、飼っている動物に対して子どもたちがどれだけの愛情をもって接しているのかが重要なのでしょうね。
大人にとっても動物は癒しの存在です。
ずいぶん前のことですが、私が精神的にかなり落ち込んでいたころ、夜になると息苦しくなり夜中に目覚めてしまうような時がありました。そんなとき、我が家の愛犬の「うめ」がそっと傍らに寄り添い付き合ってくれました。その温もりにどれだけ癒されたことか。その「うめ」ももう15歳。人間でいえば90歳です。最近では認知も出始め、ずいぶん手がかかるようになり大変なときもありますが、長い間私を励ましてくれた愛おしい存在なのです。「うめ」を最後まで見届けなくっちゃと思います。