おせち

文・絵 内田有美/料理 満留邦子/監修 三浦康子/福音館書店

おせちは食べましたか?

最近はおせちを購入している家庭も多いですよね。私もここ数年前からお気に入りのおせちを予約注文をして購入するようになりました。すると、年末の気ぜわしい気分がすこしましになったのです。

私が子どもの頃は、おせち料理は日々忙しい主婦が、お正月ぐらいはご飯ごしらえをしなくてもいいようにするためや、また、年始は市場やお店なども閉まるために、年末にまとめて料理を作ってお重に詰めておくのがおせち料理だと教えてもらってきました。そして、その料理は縁起物でひとつひとつに意味があり、お正月におせちを食べるたびに母が教えてくれたのでした。でも時代は変わり、元旦から店は開いているし、冷凍食品なども充実しているので、おせちを作らなくても食べることには困りません。

この絵本を開くと、はじめに、「あたらしい としを いわう うれしいりょうり みんなの ねがいがこめられています」と書かれています。なんとポジティブな文章ですね。はやく次のページをめくりたくなります。ひとつひとつの料理のいわれを知ることで、食べることがとっても楽しみになるような絵本です。時代と共に、おせち料理そのものを知らずに育っていく子どもたちかもしれませんが、何らかの形で日本の食文化である「おせち」を伝承していけるといいなぁと思いながらこの絵本を見ています。