茶碗蒸しのにおいがするー

ぞうぐみ(5歳児)の子どもたちが、外に出るのに3階から下りて来た時のこと。Kちゃんが「ねぇ、先生、なんか茶碗蒸しの匂いがするー」と給食室に声をかけてきました。「茶碗蒸し?」と一瞬何のことかな?と思ったのですが、給食の先生の話では、翌日の節分の日の巻きずしの具を炊くのに「かつおだし」をとっていたらしいのです。どうもそのだしの匂いが「茶碗蒸し」を想像させたようです。きっとKちゃんは、本物のだしのきいた茶碗蒸しを食べたことがあるのでしょう。そして「だし」の匂いも体で覚えていたのでしょうね。Kちゃんの何気ないその一言に私は何だかうれしくなりました。常々「食」を五感で感じてほしいと思っています。今の園舎建設の時も、給食室の位置をどこにするかでずいぶんみんなで検討しましたが、いつも子どもたちや保護者が通る場所にしたいということで、玄関を入ってすぐの所になったのです。それは、子どもたちが出来上がった給食だけを食べるのでなく、作っている過程を目にし、また音や匂いでも感じてほしいという思いがあったからなのです。

そして給食は安全なものを使うことと、本物の味にこだわりたいと思っています。だから「だし」もいりこやかつお、こぶでとっています。乳幼児期にしっかりと本物の味を知ることは、子どもたちのこれからの食生活の基本になっていくと思います。

昨日の中国産の冷凍食品の報道に驚きましたが、だからこそ子どもたちの味覚を育てることと、食への関心を持つことって大事だなぁとつくづく思いました。